タイムラプスインキュベーター
タイムラプス培養器(医療機器)
当院では最新鋭のタイムラプス培養器を導入し、卵の環境を最大限維持する取り組みを行っております。受精率・妊娠率の向上が期待されています。
従来の卵の観察法を大きく変える「タイムラプス培養器」
卵の観察においては、分割の進み具合など微細な変化を捉えることが非常に重要となります。従来の一般的な卵の観察の仕方においては、培養士が観察のたびに卵を培養器から外に一旦取り出して、顕微鏡で観察してまた培養器に戻すという作業が必要でした。専門的な知識に長けた培養士が行う非常に短時間の作業とは言え、卵の環境を微妙に変化させてしまう影響が懸念されていました。しかし、最新鋭のタイムラプス培養器を導入することで、培養器内に卵を保存したままいつでもリアルタイムな状態を確認することが可能となりました。
卵の環境を最大限守るということ
観察に不可欠となる卵の撮影も、タイムラプス培養器では庫内で自動で行っています。以前は頻回な確認が必要な卵ほど培養器から取り出す回数も必然的に増えてしまうものでした。卵にとっての良い環境を維持したまま観察ができるということは、従来の卵に与えていた可能性のあるストレスを徹底して除去することができるというわけです。これにより終始安定した環境下で最良の受精卵を育成することができます。
卵にとっての最適な培養環境を実現
培養器内では、温度やpH、浸透圧など卵の育成にとって最適な環境を自動制御で維持しています。例えば温度は37℃に管理され、二酸化炭素(CO2)と酸素(O2)の濃度を適正にコントロールしています。受精卵は移植(ET)されるその瞬間までタイムラプス培養器内で管理されます。
人的ミスの可能性を徹底防止
卵の受精卵を培養器から出し入れするという工程がなくなることで、卵の取り間違いなどの人的ミスも防止できます。当院では従来の観察法の際にも細心の注意を払って培養士は二人体制でミス防止には意識高く取り組んでいましたが、さらなる防止に繋がっています。
最新の卵の状態をいつでも観察できる
タイムラプス培養器では10分に1回というペースで頻繁に卵の様子を自動撮影しています。卵の微細な変化を捉え、また受精の様子を遡って分析することや動画のように経過を追いながら確認することが可能となりました。内部で使用されているスコープは世界中で最も広く採用されているタイムラプスシステムです。
比較観察ができることでより良い卵を選別できます
卵の育成環境を安定して維持できることで、卵の比較観察も容易となります。より良い卵を精度高く選別できることで妊娠率の向上も大いに期待されます。
最新鋭の高度な生殖医療技術を一人でも多くの患者さんに届けたい―
当院では「体にやさしく」「自然に」を第一とした治療を心がけています。しかしながら高度な生殖医療を必要とされる患者さんや特殊な治療を用いなければ妊娠が難しい患者さんもいらっしゃることは事実です。一人でも多くの患者さんの希望に応えるために、当院では最新鋭の機器や技術を積極的に導入して治療にあたっています。患者さんとは手を取り合い、十分にご納得した上での治療を検討していきたいと考えています。ご不明な点や心配事はどうぞいつでもお気軽にご相談ください。メールや電話でも受け付けております。